道産子(北海道和種馬)飼育日記

埼玉県で道産子3頭を飼育しながら会社勤めしています。

初めての外乗は危険な香り?

ここ最近、馬たちを外へ連れて行ってみたい、外乗と言って、外で乗ってみたいと思うようになった。

 

なので、週末になると、陽にハーネスを付けて、それを詩の鞍に付けて、丸馬場の中で一緒に歩く練習をしていた。

 

ただ、楽と詩には誰かが乗って行かなければならないので、もうひとり、馬に乗り慣れた人がいるときにお願いしようと思っていた。

 

先日、長く流鏑馬をやっている知人が来て、楽と詩に乗った。
うちには何度か来ているけど、久しぶりだった。

 

いい機会なので、ちょっと外へ出る練習に付き合ってほしいと頼んだ。

 

馬たちは、初めて外へ出るわけで、もし興奮すれば何が起こるかわからない。
図太い詩はともかく、気が小さい楽は、ちょっと不安材料だった。

 

というわけで、「私が詩に乗る」と言うと、「えっ?」という知人。
「いや、そっちが乗れば?」「いやいや、どうぞどうぞ」というやり取り。

 

馬たちの初めて物語には、いつも人間たちの”ゆずり合い埼玉”、またはダチョウ倶楽部の”どうぞどうぞ”のような話が付き物になる。
結局、知人が楽に乗ってくれることになった。

 

まず、陽にハーネスを付けて、詩の鞍に付ける。
最初に丸馬場の中を歩くと、もうだいぶ慣れていた陽は、トコトコ付いてきた。
様子を見て、畑の放牧場へ。
こちらも、問題なくトコトコ付いてきた。

 

これなら大丈夫かな、と、いよいよゲートを開けて初めての外へ。

 

ところが、陽のハーネスが、軽くゲートに引っかかってしまい、陽が突然バタついた。
いつもなら無反応な詩も、初めて出る外への緊張感で、一緒にバタついてしまった。

 

そこで、止まったまま落ち着ける…、馬も自分も。

 

楽は、少しは緊張していたようだけど、思ったより落ち着いていた。
詩は、なかなか緊張感が解けなかったけど、少し歩いては立ち止まり、じっと何かを考えているようだった。
意外にも陽は、一番緊張感なく、トコトコ付いて来ていた。

 

ゆっくり放牧場の周りを半周して、家に戻った。


帰ってきてしまえば、「はやくご褒美のリンゴちょうだい」という、いつもの馬たちに戻っていた。

 

最初はなかなかちゃんとついて来なかった陽。詩を引いて歩きながら練習した。

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慣れてくると、人間が詩に乗った状態でついてくる練習をした。

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馬たちのクリスマス&正月

去年の今頃は、楽や詩にやっと鞍をつけて跨がれるようになって、ちょっと一段落した時期だった。

 

2頭とも、まだベタベタ触っていると逃げてしまう状態だったけど、少しずつここでの生活にも慣れてきていたんじゃないかと思う。

 

北海道の牧場にいたときは、広いところでたくさんの仲間たちと自由に過ごしていた。

 

それに比べたら、こちらに来てからの生活は、狭くて放牧場に草木は生えてないし、馬は少なくて人間ばかりだし、不自由に思っていたかもしれない。

 

でも、これから人間と一緒に生きていく以上、たくさんの人からかわいがられるようになってほしい。

 

去年のクリスマスは、タイミング的にはちょうどよかったかもしれない。
怖がったりしないか様子を見ながら、サンタの帽子を付けて放牧してみた。

 

年明けには正月飾りを付けて放牧した。
飾りは半日で壊れてしまったけど、ご近所に好評だった。

 

今年は陽もいるし、また挑戦してみようと思う。

 

 

陽にちょっと詩の鞍を乗せてみた。

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去年のクリスマス

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今年の正月

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馬たちと野生動物

うちの周囲には、いろいろな動物が生息しているらしい。
なかなかその姿は見られないけど、近所の人と話をしていると、よく動物の話を教えてもらえる。

 

まだ楽が来ていなかったおととしの夏、庭は草ボーボーになってしまい、なすすべもなく秋が来るのを待つしかなかった。


母が、ちょっとは草を刈ろうとジャングルのような庭に分け入ったところ、足元に鳥の巣を発見した。
そこには、タマゴを抱えているメス鳥がいて、思いっきり睨まれたという。
キジが抱卵していたのだった。

 

キジは本当にたくさんいて、大きな木に近づくと、10羽くらい一度に飛び立ったりして、こんなにたくさん、食べていけるエサがあるんだろうかと驚いてしまう。
丸馬場で馬にリードをつけてクルクル回して運動させているとき、いきなり丸馬場を横断するなど、人に対する警戒心も薄い。

 

以前は猟区だったこの近辺が禁猟区になって、どんどん増えていったそうだ。
天敵がいなくなったと思われたキジたちだが、たびたびキツネなどに捕食されるらしい。
実際、キジが野生のキツネに襲われるところを近所の人が見ていた。


夜になると、フクロウが毎晩近所の木に飛んでくる、とも聞いた。
そこそこ住宅街だと思うけど、他にも、イタチ、アナグマハクビシン、アライグマ、野うさぎ、イノシシとバラエティにとんでいる。

 

もちろん、マムシやヤマカガシなど、ヘビ関係も充実している。

 

動物たちが行動するのはほとんど夜だろうから、馬たちは、けっこういろいろな動物と出くわしているかもしれない。

 

家の東側で日向ぼっこしていたタヌキ

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畑にいたつがいのキジ。メスは保護色で見えにくく、警戒心が強い。

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家の中から外を見ると、キジが砂あびしていた。

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馬たちと重機

馬たちの放牧場は、隣の耕作していない畑を借りて、うちの敷地とつなげて使わせてもらっている。


北側が道路沿いの畑で、馬たちが首を出しても道路にはみ出さないよう、柵はだいぶ内側に設置している。

 

私の前にこの畑を借りていた人は、長い間耕作していて、トラクターを使っていた。
耕すたびに、畑の土が道路に少しずつはみ出して、そのまま固まってしまっていた。

 

一度も見たことなかったのだが、道路には側溝があって、埋まって見えなくなっていたそうだ。
そのため、雨が降ると道路が冠水してしまい、なかなか水が引かなかった。

 

先日、近所の方が、親戚から借りた小さなユンボ(重機)を持ってきて、側溝の上にかぶさっていた土をどかしてくれた。
手作業ではどうにもならない状況だったので、本当にありがたかった。

 

ユンボは、側溝を覆っていた土をどんどん掘り起こして、放牧場のほうへ積んでいく。
馬たちはユンボに驚くかと思ったら、土に生えていた雑草を食べようと、3頭で土をあさっていた。

 

陽は、お腹いっぱいになったのか、飽きてしまったのか、途中でピヒヒ~ンと鳴きながら走ってきた。

 

食べているときは一心不乱という感じの陽。
最近は、人間にかまってほしいとき、「遊ぼう」と言っているみたいに、ヒヒ~ンと呼びかけるようになった。

 


このときは、まだ電気柵が壊れていたので、馬たちは柵ギリギリまで首を突っ込んでいた。

 
”危険さわるな!”の標識がむなしい

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遊んでほしくて走ってきた。

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馬たちの寝床

馬房は普段、開けたままにして、馬たちが自由に出入りできるようにしている。

 

馬たちは、夜は馬房に帰って寝ているかというとそうでもなく、放牧場の端っこで寝ていたり、ちょっと砂が敷いてある丸馬場で寝ていたり、その日の気分で寝る場所も決まるらしい。

 

朝、エサをやってボロ(馬糞)を拾って歩いているときに、いかにも馬たちが寝ていたような跡を見つけて、ああ夕べはここで寝たんだなと思ったりしている。

 

なので、馬房には、あまりフカフカになるほどの敷料は敷いてないけど、適当に籾殻を入れていた。
それも、9月に入って詩が出産し、しばらく親子を馬房に入れていたときに、ストックしていた分は全部使ってしまった。

 

籾殻は、秋の収穫が始まると、農協のカントリーエレベーターというところに行けばもらえる。
10月なら日曜も開いているけど、なかなか取りに行けずに、早く行かなきゃと思っているうちに寒くなってきてしまった。
先週、やっと休みを取って、取りに行った。

 

軽トラにあおりを立てて、最寄のカントリーエレベーターへ。
籾殻は、大きなサイロに貯めてあって、下に軽トラで乗り付けて、上から落とすような形になっている。
奥のレバーを引くと籾殻がバーッと落ちてきて、手前のレバーを引くと止まる。

 

このタイミングが意外と難しい。
奥のレバーは固いんだけど、あまり強く引いてしまうと、あっという間に軽トラはいっぱいになってしまう。

 

以前、車屋のマコっちゃんという友達に頼んで、一緒に来てもらったことがある。

 

マコっちゃんは、固いレバーを思いっきり引いた。

 

ブォァァァァ!という音と共に、ものすごい量の籾殻が落ちてきた。
自分も軽トラごと埋まるんじゃないかと思うような勢い。
ドリフのコントのようだった。

 

マコっちゃんは、あわてて手前のレバーを引いて止めた。
そして、逃げるようにカントリーエレベーターを後にした。

 

しかし、軽トラに山盛りになった籾殻は、バーバーザーザー後ろに飛ばされていく。
籾殻の威力は大変なもので、細かい粒子で、フロントガラスは真っ白になってしまう。
「わはは、後ろの車、すげー車間距離あけてる」とマコっちゃんは喜んでいた。
後ろの車は、100mはありそうな車間距離を保っていた。

 

もっとも、喜んでいる場合ではなく、人間の目にもダメージがあって、1週間くらい目が腫れてしまった。

 

今回は、それに比べたらもうちょっとはマシだったけど、あおりの隙間などから、多少籾殻をまき散らしてしまった。
もっと工夫が必要だと感じた。

 

 

上の黒い筒みたいなところから籾殻が落ちてくる

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なぜか籾殻に顔を突っ込んだ詩

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ブホッ!

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新米の籾殻に陽も興味津々

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馬の下痢

詩がうちに来たのは、去年の9月。
3才のときだった。
その後、自然交配だったけど、10月の頭に最後の発情があったようなので、そのときに妊娠したんだと思う。

 

妊娠したころから、詩は下痢をするようになった。
獣医さんに相談すると、食べすぎでは?ということだったので、エサを減らしたが、治らなかった。
いろいろ悩んで、ビオフェルミンを与えたり、甘酒を作って飲ませてみたりしたが、いっこうに治らなかった。

 

かんな馬の会という、有志で馬を飼育している団体があって、いつも馬のことを教えてもらっている。
会の馬にも、妊娠後に下痢が続き、何人かの獣医さんに相談したり、水の成分を調べたりしたが、わからなかった馬がいたそうだ。
ところが、出産して1週間ぐらいで治ってしまった、と言っていた。

 

詩のほうも、もしかしたら、妊娠で体調が変わっているのかもしれない、とは思ったが、ずっと気にしていた。

 

出産直前の8月、詩の下痢が急に収まった。
特に何もしていないのに、突然治ってしまった。
結局、詳しい原因はわからなかったけど、ホッと一安心した。

 

無事、陽が生まれたあと、近くで道産子を飼ってる人が、陽を見に来たことがあった。
その人は、母馬にまた発情が来たら、子馬がかなり激しい下痢をすることがあるけど、気にしないで大丈夫だよ、と言っていた。

 

子馬を出産すると、早い馬は10日くらいで発情が来ると聞いたことがある。
今のところ、陽は下痢をしたことがない。
詩はまだ発情がきていないのだろうか。

 

つい心配になってしまうことがひとつある。

でも大丈夫なはず。
楽は陽が生まれてすぐ去勢したし、詩が実は妊娠してるなんてことあり得ないと思うから…。

 


去年の9月、詩がうちに来て3日目。
発情が見た目にはわからない馬もいるそうだが、詩の尻尾を上げるしぐさは、教科書どおりの発情のサインだった。

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馬たちとおまわりさん

引っ越してきて、あっという間に3年半が経った。
家に表札をつけていないけど、自治会に入っていれば近所では名前などもわかっているので、特に気にしていなかった。

 

2年ほど前、楽が来た頃のこと、平日におまわりさんが尋ねてきた。
ちょうど母がうちにいたので、話をしたところ、近くの交番のおまわりさんで、たまに近所の様子を見てまわっているそうだった。


名前や家族構成を聞かれて、楽のことも、名前と年齢、性別をメモしていったらしい。
ペットも家族だから、ということなのかもしれない。

 

近所の人の話によると、うちの周りは警察官や元警察官という家が5軒くらいあるらしい。
田舎ということもあって、あまり警察官は見かけないと思っていたのだが、一般企業の仕事が少なく、農家も減っていることを考えれば、公務員が多いと感じても不思議はないかもしれない。

 

馬房を作るために通ってくれた大工さんが、うちに来る途中、スピード違反で捕まったことがあった。
スピード違反は、現行犯でないと捕まらないらしい。
大工さんは振り切って逃げようとした。


若い頃はカーレースが趣味で、ターボ付きの軽トラという、めずらしい車に乗っていた。
でも、あいにく行き止まりだったそうで、パトカーにウァンウァンとサイレンを鳴らされて追いかけられた挙句、御用となった。

 

当時、大工さんの本職はトラックの運転手だった。
にもかかわらず、免停というマズイ自体になった。

 

薄給で、免停の講習費用をカンパするような苦しい経済状況だった大工さん。
今は建材屋の社長になっていて、いい車に乗って安全運転している。

 

そんなことがあったので、うちに遊びに来たサッカー仲間に、道中スピード違反に気をつけてくれと言った。
「こんな田舎に警察がいるわけないだろう」と半信半疑な様子で言っていたので、そうでもないということをよく説明しておいた。

 

大工さんが昼寝していると、楽は必ず帽子をくわえて持っていった。

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2014年2月。未完成の馬房。70センチの積雪があった。

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