馬の歩き方 側対歩と斜対歩
子どもの頃、行進などをやらされると、いつも右手と右足、左手と左足が一緒に出てしまう、いわゆる側対歩の子がいた。
昔の日本人は、側対歩だったらしいと聞いたことがある。
西洋軍隊の訓練が日本に伝わると、右手と左足、左手と右足が一緒に出る、斜対歩が主流になったのだとか。
西洋の馬は、もともと斜対歩の馬が多いそうだ。
道産子は、側対歩と斜対歩、どちらもいる。
生まれつき側対歩の馬もいるし、生まれたときは側対歩でも、成長するにつれて斜対歩に変わる馬もいるし、その逆もある。
だけど、見た感じでは、側対歩のほうが圧倒的に多い気がする。
道産子は昔、重い荷物を背負う仕事をしてきた。
側対歩のほうが上下の揺れが少ないので、側対歩の馬が生き残ってきたという背景もあるかもしれない。
道産子の種の保存に努め、生産している人たちは、道産子は側対歩でなければならない、側対歩こそ道産子である、と考えている。
ところが、乗馬クラブなど馬の引き受け手は、斜対歩の馬を欲しがる。
乗馬クラブは西洋馬術をやっているから、ルールも西洋基準で、側対歩の馬は練習でも使いづらいという。
ただでさえ、サラブレットに比べたら、ちょっとポニーという感じで、見た目にも劣ってしまう。
道産子が乗馬として生きる道が、今は、外乗という外へ乗って出歩くものや、流鏑馬ぐらいしかないのだが、そうした牧場や団体は、問題を抱えている場合も少なくない。
もっと乗馬としての使い道を広げるためにも、斜対歩の道産子がもうちょっといてもいいんじゃないかなあと思う。
ちなみに楽は側対歩で、詩は両方できる。
詩は遅い速足だと側対歩で、スピードが速くなると斜対歩に変わる。
調教すれば両方できるという人もいるけど、どうやればいいのか、本当に出来るのかどうかはわからない。
もし知る機会があって、やってみたくなったら、楽で試してみたいと思う。
側対歩のときの詩
雨が降って陽は泥んこになっていた。