馬の下痢
詩がうちに来たのは、去年の9月。
3才のときだった。
その後、自然交配だったけど、10月の頭に最後の発情があったようなので、そのときに妊娠したんだと思う。
妊娠したころから、詩は下痢をするようになった。
獣医さんに相談すると、食べすぎでは?ということだったので、エサを減らしたが、治らなかった。
いろいろ悩んで、ビオフェルミンを与えたり、甘酒を作って飲ませてみたりしたが、いっこうに治らなかった。
かんな馬の会という、有志で馬を飼育している団体があって、いつも馬のことを教えてもらっている。
会の馬にも、妊娠後に下痢が続き、何人かの獣医さんに相談したり、水の成分を調べたりしたが、わからなかった馬がいたそうだ。
ところが、出産して1週間ぐらいで治ってしまった、と言っていた。
詩のほうも、もしかしたら、妊娠で体調が変わっているのかもしれない、とは思ったが、ずっと気にしていた。
出産直前の8月、詩の下痢が急に収まった。
特に何もしていないのに、突然治ってしまった。
結局、詳しい原因はわからなかったけど、ホッと一安心した。
無事、陽が生まれたあと、近くで道産子を飼ってる人が、陽を見に来たことがあった。
その人は、母馬にまた発情が来たら、子馬がかなり激しい下痢をすることがあるけど、気にしないで大丈夫だよ、と言っていた。
子馬を出産すると、早い馬は10日くらいで発情が来ると聞いたことがある。
今のところ、陽は下痢をしたことがない。
詩はまだ発情がきていないのだろうか。
つい心配になってしまうことがひとつある。
でも大丈夫なはず。
楽は陽が生まれてすぐ去勢したし、詩が実は妊娠してるなんてことあり得ないと思うから…。
去年の9月、詩がうちに来て3日目。
発情が見た目にはわからない馬もいるそうだが、詩の尻尾を上げるしぐさは、教科書どおりの発情のサインだった。