冬の馬たち 冬の風
埼玉は、夏は暑いでしょう?とよく言われる。
でも、都内に通勤していると、都内も十分暑いと感じる。
ビルばかりで風通しが悪く、下はアスファルトで照り返しが強いため、余計に暑さを感じるのかもしれない。
家の周りはほとんど畑や田んぼで、風通しはよく、下は土で、真夏でも昼間は冷房を使わないこともある。
ニュースでは、最高気温を叩き出したと騒いでいることがあるけど、駅前など街中に比べたら、同じ市内でもそこまで暑くないんじゃないかと思っている。
「この辺は、夏じゃなくて冬だよ!」
引っ越してきたときに、ご近所さんに言われたことがある。
本当にそう思う。
冬はすごい。
とにかく風が強い。
まるで毎日が台風。
玄関のドアを開けられない。
開いたら閉められない。
母は、よく窓から出入りしているぐらいだ。
馬たちも、多少はこの強風を警戒していると思う。
乗馬クラブなどでは、強風の場合、乗れる馬が限られることがある。
馬によっては、強風に驚いて、暴走してしまうことがあるからだ。
楽のようにちょっと怖がりな馬は、強風の日に乗るのは躊躇してしまう。
それでも、毎日毎日の強風にはさすがに慣れてきたのか、実際乗ってみると、特にいつもと変わった様子はなかったりする。
でも、いつもは単独行動していることが多い詩が、強風のときだけは楽や陽とべったり一緒にいるから、やっぱりちょっとは怖いのかなと思う。
強風の中でも、気にも留めず母を乗せていた詩
陽もときどき無口をつけて引き馬の練習をしている。