馬たちと牧草
馬たちのエサは、近くの酪農協会から乾草の牧草を購入している。
牧草の種類はいろいろあるけど、うちではイタリアンストローという牧草を主に与えている。
最初は、チモシーという牧草を与えていた。
チモシーは栄養価が高く、馬たちの好物だけど、うちの馬のように、食べて寝て遊んでいるだけの道産子の場合、ちょっと栄養価が高すぎるらしい。
道産子はもともと、北海道で雪を掘り返して笹を食べて生きてきたような馬だから、少ない栄養分で問題ないそうだ。
以前まだチモシーを与えていたとき、予防接種に来た獣医さんに、これ以上太らせないよう注意された。
獣医さんは、その辺の草刈って与えておけばいいよ、と言っていたけど、草を刈る手間と時間はとても確保できない。
そこで、チモシーに比べたら栄養価の低いイタリアンストローに変えたのだった。
値段のほうは、チモシーが1キロ約70円なのに対し、イタリアンストローは1キロ30円を切るくらいで、飼い主のお財布にも優しい価格になっている。
馬たちには、1日1頭4キロくらい牧草を与えている。
よく、馬を飼うってお金がかかるんでしょう?といわれるけど、この話をすると、会社の先輩から「うちの犬のほうがエサ代高いわよ!」と言われる。
ひとつ、ワンちゃんより苦労があるのは、牧草の重さだと思う。
何頭も飼育している牧場なら配達してもらえるが、うちのように少ない頭数だと、軽トラで自分で取りに行く。
積むときはフォークリフトみたいなので積んでもらい、帰ってきて自分で下ろす。
チモシーの場合、1梱包で約30キロ。
これは何とか持って運べる。
イタリアンストローの場合、1梱包で約55キロ。
これはどうにもならない。
ここは工夫しかない。
軽トラの荷台からうまく一輪車に落として、物置までどうにか運んでいる。
陽がエサを食べるようになった頃、よく物置に入りたがった。
たまに思い出すとハーネスを付けて、詩と一緒に歩く練習をやっている。
この日は夕焼けがきれいだった。