突破する馬たち
馬たちは、食べるためだったら、すごい執念を見せる。
よく草食系と言うけど、ものすごく食い意地の張った草食動物のことは、なんて呼んだらいいんだろう、と考えたりする。
馬たちは、どうやったらエサにありつけるか、いつも考えている。
頭も使うし、チャレンジもする。
先日、母がうちに帰ってきたときのこと、馬がいないことに気づいた。
あわてて探すと、3頭とも物置の中にいたという。
みんなで楽しそうに積んであったエサを食べていたそうだ。
話を聞いたとき、私が物置を閉め忘れたのかと思った。
でもそうではなく、楽が扉をこじ開けたようだ。
母が馬たちを外に出して、物置を閉めたあと、楽がまた扉をこじ開けようとしているのを目撃したそうだ。
物置の扉は、左右に開く引き戸になっていて、取っ手はあるけど、馬から見たら小さいものだし、今までは開けることはできなかった。
きっと日々練習して、開けられるようになったんだと思う。
とりあえず、取っ手と取っ手に、自転車につけるワイヤーのカギをつけて、扉が開かないようにした。
それでも、夜中にガタッ、ガタンと音がしたので、開けようとしていたんだと思う。
寒くて外へ出たくないし、開きませんように、と祈って寝た。
隙間から物置に入ってきた陽を出そうとしたときに、のぞきにきた楽