詩かあさんのお気楽子育て
陽が生まれてから、エサのやり方を変えた。
以前は、楽と詩をそれぞれの馬房に入れて食べさせていた。
今は、楽は馬房に入れて、詩と陽は馬房の外側で食べさせている。
詩は授乳していることもあって、楽とはエサの内容も量も違う。
こうすることで、楽と詩のエサを分けられるし、家にいても詩と陽の様子が見られる。
陽の歯が生え始めたころ、詩は陽にすすんでエサを食べさせていた。
ところが最近は、陽を押しのけて、自分が食べたいだけ食べている。
陽が生まれたばかりのとき、今にして思えば、詩はかなり神経質になっていたと思う。
楽が、詩と陽がいる馬房に首を突っ込むと、怒った詩は、楽が首を引っ込めようとしても離れないくらい強く噛みついたりした。
こんな状態で、3頭で放牧できるのか心配したが、思ったよりすぐ落ち着いて放牧できるようになり、しばらくすると、楽が陽のことを気にかけるようになった。
楽は、陽が自分の子どもという認識はしていないと思う。
でも、陽が楽のエサを食べていても怒らないし、最近は2頭で一緒にいることも多くなった。
詩はというと、陽の成長を見極めながら、だんだん陽から離れていっている。
陽が自分のそばを離れると必死に追いかけていたのは、せいぜい生後2週間ぐらいで、その後、楽が陽に危害を加えないことがわかってくると、楽に陽をまかせて放っておくことが増えていった。
人間が陽のそばにいるときも、「人間よろしく」という感じで放っておくようになった。
詩は、今は群れの順位について、陽に教えているのかもしれない。
何でも1番なのはボス、そしてボスはこの私、というふうに。
詩は初産で、子馬の教育も初めてのはずだけど、本能でやっているのだろうか。
陽の成長に応じて変化していく子育てを見ていると、たいしたもんだなあと感心してしまう。
なぜか詩のおっぱいを飲む楽
詩のおっぱいを奪い返す陽