クラさんと流鏑馬 その1
陽の名付け親になってくれた、学生時代の後輩のクラさんがまた遊びに来た。
1カ月前に来たとき、詩に少し乗ってもらったところ、とても気に入ったようだった。
私が以前、流鏑馬をやっていたときに使っていた弓矢があって、先日来たときに見せたところ、クラさんも流鏑馬に興味津々。
クラさんは乗馬経験がないので、今すぐ馬に乗って弓を引くのは難しいかもしれないけど、ちょっと練習してみようということになった。
この日は朝からすごい風が吹いていて、乗っているとき馬がバタバタしないか少し心配した。
昼過ぎに来たクラさんは、まず弓の練習をはじめた。
学生時代、サークルで作ったハッピがある。
これを着れば和装っぽくなると思って着てもらったら、むしろ怪しくなってしまった。
野球の投球練習用の的があって、それに向かって弓を引く。
矢は鏑矢といって、先が丸くなっているもので、1本5,000円もするので、なくさないようプレッシャーをかけておいた。
流鏑馬のときは、揺れる馬上で弓を引く。
最初の関門は、矢をつがえることだと思う。
手元を見ずに素早くつがえられるようにならないと、あっという間に的を通り過ぎてしまう。
弓の練習が気に入ったようで、クラさんはしばらくやっていた。
流鏑馬は、それほど遠い的を狙うわけではない。
せいぜい2~3mの距離なので、それほど熱心に練習しなくても、そこそこ当たるようにはなる。
問題は馬だ。
9割以上は馬の練習になると思う。
弓の練習が一段落すると、鞍の付け方など馬装の仕方を説明して、今度は乗馬の練習をすることにした。
ハッピを着て弓の練習をするクラさん