夜のコスプレ
平日は毎朝4時半起きで、一仕事してから会社に出勤している。
8月ごろはまだ明るかったけど、今は真っ暗。
馬房の電気を点けてエサと水をやり、放牧場でのボロ(馬糞)拾いは、ヘッドライトをつけて作業する。
夜、帰ってきてからのエサやりは、やっぱり真っ暗で、写真を撮りたいと思っても、いつもうまく撮れなくてがっかりしてしまう。
陽はあっという間に大きくなってしまうし、たくさんの場面を撮っておきたいと四苦八苦している。
陽は、今のうちから、大抵のことには驚かないような馬になってもらいたくて、いろいろやってみている。
たとえばコスプレ。
「もってる男」と書かれているタスキをかけてみた。
怖がるかと思ったけど、意外と大丈夫だった。
ところが、気が小さい楽は、このスベスベで光沢があるタスキが怖くて仕方がない様子。
見ただけで逃げてしまうので、目的変更で、楽のためのコスプレ練習になった。
もともと図太い詩は、こんなタスキごときに驚くような馬ではない。
まず、詩にタスキをかけて、「ほら、詩は怖くないって」と楽に話しかけ、今度は陽にかけて、「ほら、陽だって怖くないってよ」と話しかける。
ハタから見たら、「アホか」と思うようなことだけど、楽はこれをじっと見ている。
そのうち近づいてきて、タスキのにおいをかいで、慎重に状況を確かめている。
馬たちには、怖いものなしの根性を身につけてもらえると、あとあと助かる。
今は柵の中で生活しているけど、いずれは、外へ乗って散歩に行ってみたい。
外へ出れば、車の音、人の声、風にたなびく店舗ののぼり…初めて見るものもたくさんある。
そういうものに、いちいち驚いて飛んで行ったりぜず、落ち着いて行動できるようになってほしいなあと思っている。
タスキをかけた陽
タスキをかけたまま寝る陽
キラキラの帽子