詩のエサ、楽のエサ
9月27日(火)
馬のエサは、何をやればいいだろう…。
馬の種類や運動量によって、エサの内容はだいぶ違う。
競走馬や馬術競技をする西洋馬は、いつもいいエサを食べているらしい。
道産子のような在来馬で、なおかつ、うちの馬にように、ほとんど乗られることなく遊んでいる馬は、あまりいいエサを食べると、すぐに太りすぎてしまう。
道産子は、昔、東北から北海道で仕事をさせるために連れて行った馬たちだそうだ。
冬になると、人間だけ東北に帰り、馬たちは雪の中からササなどを食べて生き延びた。
春になると、また捕まえられて仕事に使われ、半野生のような馬になっていったという。
道産子というと、ばんえい競馬に使われる大きな西洋馬だと勘違いされることが多い。
実際は、日本に昔からいて、粗食や過酷な環境に適応してきた、頑丈で小さな馬だ。
今の牧草は、ほとんどが輸入物で、ただでさえ栄養価が高い。
うちでも、以前はチモシーという栄養価の高い牧草を与えていたが、獣医さんに注意されて、もっと安い牧草にかえた。
ただ、出産後の馬は、たくさん栄養を取らないと、どんどん痩せてしまうということだったので、今は詩だけ半分くらいはチモシーにしている。
これまでは、楽と母子を別々の場所で放牧していたから、違うエサをやっても楽は気づかなかった。
今は、陽の様子を観察するため、楽を馬房に入れて、母子は馬房のすぐ外でエサをやっている。
そうすると、楽は外にいる母子を見て、自分よりうまい牧草を食べていることに気づいてしまった。
馬房の扉に体当たりして、外へ出ようとする。
仕方なく、楽にも少しだけチモシーをやることにした。
食べ物の恨みは怖そうだから。
物置に侵入して牧草を食べる陽